【完】卒業と出会い
卒業式が終わって、みんなクラスで集まっていた。




風見に会いに行くことしか頭にない俺は、校門を出ていこうとした。








……すると




パシッ



誰かに腕を掴まれた。







振り返ると……





「佐々木…?」




今にも泣きそうな顔をした佐々木が、俺を見つめていた。





「やだよ…もう、学くんに会えなくなるなんて。お願いだからまだ帰らないで」



真剣な眼差しに、俺は一瞬怯む。




………だけど




「…俺、今から会いに行きたい人がいる」



そう言うと、佐々木はキリッと睨みつけるように俺を見た。




「女?」



「…あぁ。」



「その人のこと好きなの?」
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