Spirit of Dragon~断罪の炎編~
剣は地面に刺したままで、俺は大きく二歩前進し、体勢を低くしてタイミングを見計らいデノホーンの顎を思いっきり蹴上げた。
 
 
こうして蹴上げはしたもののすぐに勢いが止まるわけではないので、その場をさっと飛び退く。
 
 
二匹目のデノホーンは前足がもつれその巨躯を地面に滑らせながら、最初に突進してきたやつにぶち当たると勢いは止まった。
 
 
「悪気はないが、ケンカ売ってきたのはそっちだからな。あとお前ら体硬すぎ……。手ぇ赤くなっちゃったじゃねぇか」
 
 
理不尽極まりない事を言いつつ召喚魔術を唱えてハンターダガーを召喚させた。なぜ大剣でズシャッと殺さなかったかと言うと、一角獣の角ってのはたいがいが漢方に使われたりするためだ。
 
 
それに硬質化した皮膚は防具のレザーアーマーにも使えたり、その他色々な箇所が人間の生活に役立ったりする。
 
 
大剣でやりあって皮膚や内臓ズタズタです、使い物になりません、じゃ少々問題があるわけだ。
 
 
よって!ダガーでぷすりと延髄を切断する事により傷を最小限に抑える!
 
 
二匹の延髄をぷすりぷすりと切断し、倒れたデノホーンの上に座りニイナの戦闘に目をやると…………あちゃ~苦戦しとる。
 
 
印のみで呪文を必要としない印魔術を使いつつ、呪文のみで攻撃を与える事ができる精霊魔術を駆使した戦法をとっている模様。
 
 
人間相手ならねぇ、ハッキリ言って完璧な戦法だけど……。相手は魔法に耐久性のあるモンスターみたいだし……。
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