Spirit of Dragon~断罪の炎編~
まずは情報収集!
 

エルフはエルフ郷、ドワーフは地下神殿、トロールは山岳地帯に居住空間を作るが、ヴァルハイドはそうではない。
 

空を駆け巡り、獲物を探し捉えて喰らう。捕食するものは選ばない、全ての生き物がエサなのだ。肉食では最強と言われている。
 
 
群れで行動する事はまずなく、単独で一国を落としてしまう大空を駆け巡る空の覇者。
 
 
いつしか“天空龍”と呼ばれるようになったヴァルハイドはコロコロと棲息地を変える。
 
 
いざ探すとなるともうめんどうくさいったりゃありゃしねぇ。
 
 
ギルドでの情報もかなり膨大だが、やはり情報には情報屋。そのへんの人間に聞けば『あっちの方へ飛んでいった』『いや、あっちだよ』『こっちに飛んでいくのを見たね』等と要領を得ない話しか返って来ないだろう。
 
 
一番信頼できる情報を裏ルートで揃えて来ている情報屋が頼りになるのだ。
 
 
ヴァルハイドの事はたぶんわかりにくいだろうけどね……。
 
 
俺はどこの大きな街にも一つはある裏路地に来ていた。
 
 
魔法学院が大きく発展したここガルシア・シティにも、人集りでにぎわう大通りをちょっとすすめば無人の道はいくらでもある。
 
 
「……ここ、何?」
  
 
おずおずと訪ねるニイナの顔を見ると警戒の色が隠せない様子。
 
 
当たり前だけど、来た事ないんだろうなぁこんな場所。
 
 
建物と建物で挟まれたこの道に陽の光は届かず薄暗い。浮浪者が目につくが、それ以上の数の人の息がある。
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