一匹狼と天然子羊
「ありがとうねっ」
「別に。ほら、これお前にだ」
「ありがと、開けていい?」
「ああ」
小包を開けると、中には2つの指輪が入っていた。
「指輪?」
「ああ」
気まずいのか、目をそらす弘人くん。
私は嬉しさの余り、泣いていた。
「な、何で泣くんだよっ」
「だって、嬉しっ、うえぇん」
「泣くなよ」
弘人くんは困ったように苦笑いしながら、私の涙を唇で啄むように、拭ってくれた。
「あんま高いもの買えなかったけど、その……もし結婚するときには、もっと良い奴買ってやるから」
「もしって余計だよっ」
「う、すまん」
私がそう言うと、謝る弘人くん。