一匹狼と天然子羊

「つけてくれるの?」

私が意地悪っぽくそう聞くと、照れながらも私の指に指輪をはめてくれた。


「サイズぴったりだね。私のサイズよく分かったねっ」

「まあなっ」

得意気にそう言う、弘人くん。

「何で分かったの?」

「何回お前と手ぇ繋いでると思ってんだ」

「えっ、そんなんで分かるんだっ。流石経験豊富だねっ」

何の考えもなしに、そんな言葉が出ていた。

「う、それより俺にはつけてくれないのか?」

それに苦笑いしながら、次は弘人くんが意地悪っぽくそう言ってきた。

私は恥ずかしくなりながら、弘人くんの指に指輪をはめた。


それから私達は自然と唇を交わした。
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