一匹狼と天然子羊
下駄箱に着き、靴をはこうとすると、チクッと足の裏に何かが当たった。
私は靴を脱ぎ中を見ると、画鋲が沢山靴の中から出てきた。
私は驚いて変な声を出してしまった。
私の声を聞いて、慧くんがやって来た。
「どうしたの?……これ、何?」
私の顔を見た後、床に散らばっている画鋲を見て、慧くんの顔付きが変わった。
「分かんないけど、私の靴から出てきた」
「怪我はしてない?」
「うんっ……」
「そう」
そう言い、考え込む顔をした後、慧くんは心当たりがないか聞いてきた。
でもそんなの、いくら考えても分からない。