浮気女の嫁入り大作戦
一睡もすることがないまま迎えた朝は雲ひとつない快晴で、ぼんやり見上げてみると真っ青な空から暖かい陽が降り注いでいた。
爆弾と片道分の燃料を積んだ飛行機に乗り上昇してみると、まだ桜も咲いていないのに暑いくらいだった。
雲がないから、周りがよく見える。
……なんて思っていたが、日本を出たところで雲が出てきたのを覚えている。
俺は花枝に言われた通り、華々しく散ってやった。
享年20歳。
死んだ後、俺の体がどうなったかはわからない。
バラバラに吹き飛んだだろうか。
焼け爛れただろうか。
どんな形であれ、きっと飛行機や敵国の戦士と共に、海に沈んだのだと思う。
即死したいという最後の希望だけは、どうやら叶ったらしい。
しかし、死して尚、俺は絶望させられた。