浮気女の嫁入り大作戦

 それでも俺の思いが強いからか、奈緒と沢田はその日の新人歓迎会で急接近した。

 新人同士で仲良くなった二人は、歓迎会の二次会が終わった後、帰ったふりをして飲み直しに行った。

「へぇ、沢田くん彼女いるんだ」

「まぁ、一応ね」

「ふーん、意外」

「意外って、どういう意味?」

「あたし、彼女いる人ってオーラでわかるもん」

 今や全く霊感なんてないくせに、どんなオーラを感じ取れるというのか。

 俺がつっこむより早く、沢田が情けなく笑った。

「まぁ、就職で彼女と遠距離になって、微妙な感じだからね」

 奈緒はバカにするように笑って酒を飲んだ。

 この時にはすっかり酔っぱらっていた。

「わかるよ、それ。あたし遠距離とか無理だし、だから別れたし、続けたってどうせ浮気しちゃうし」

「彼氏が?」

「ううん、あたしが」

「浮気するの? 女の子にもそんな人いるんだね」

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