冷たいプリンセス☆
◇第一章◇小さな幸せ
広すぎるベッド
「ん………」
後ろから抱きしめられ、小さく寝返りをうった。
目の前には、奏(ソウ)の顔があった。
「奏……?」
「あ……ごめん、菜月。起こした?」
奏は悪そうに言った。
奏は同じ会社で働く人。
でも、大学が同じでわりと仲が良かった。
今は……私が寂しい時に家に来てくれる、セフレ?みたいな関係になってる………
「うん、びっくりした……急に抱きしめられたから。」
「ごめんな?」
「今日はどうしたの?もう12時過ぎだよ。」
来るときはいつも9時ぐらいに来る奏が、珍しく夜遅くに来た。
「あぁ………彼女とケンカした……」
「えっ!?もしかして私のせい?」
「ふ……嘘だよ。俺彼女なんていねーし。ただ菜月に逢いたかっただけ……」
奏は優しく笑った。
「奏……」
私は静かに奏の胸に顔をうめた。