冷たいプリンセス☆
「どうしたの、菜月さん。」
「いえ……失礼いたしました………桐谷菜月と言います。」
私は、少しうつむきかげんで言った。
「菜月さん、今日から社長を勤められる、神崎音弥(カンザキ オトヤ)様よ。あなたも知っての通り、会長のご子息よ。」
やっぱり………音弥なんだ………
音弥とは、中3から高3までつきあってた。
イヤな別れかたをして………
あれ以来、私は男と深い付き合いはしなくなった。
「では、今日から頑張りなさいよ、菜月さん。では社長、失礼致します。」
佐野さんが出て行った社長室は、静まりかえっていた。