素直にカエル3 ~先生と卒業式~



―コンコンッ


「南?入るわよ?」


お母さんがドアを開けたので、私は急いで涙を拭いた



「ん?何?」


「…なんかあったんでしょ?」



お母さんは優しく笑って、ベッドに座る私の隣に腰掛けた



「お母さん…」


「何隠してるの?そんな顔して~」



お母さんには全部バレてたんだ


当たり前か…



17年も育ててくれたんだもんね



「ほら!紅茶いれたから飲みなさい。…ゆっくりでいいから」



温かい紅茶が、また私の目頭を刺激する



「………っ」


「南…。我慢しないで」




温かいお母さんの胸で私は涙を流した


頬を伝う涙がお母さんのパジャマに染みていく



少しだけ…


不安が消えていた








< 134 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop