素直にカエル3 ~先生と卒業式~
―コンコンッ
「南?入るわよ?」
お母さんがドアを開けたので、私は急いで涙を拭いた
「ん?何?」
「…なんかあったんでしょ?」
お母さんは優しく笑って、ベッドに座る私の隣に腰掛けた
「お母さん…」
「何隠してるの?そんな顔して~」
お母さんには全部バレてたんだ
当たり前か…
17年も育ててくれたんだもんね
「ほら!紅茶いれたから飲みなさい。…ゆっくりでいいから」
温かい紅茶が、また私の目頭を刺激する
「………っ」
「南…。我慢しないで」
温かいお母さんの胸で私は涙を流した
頬を伝う涙がお母さんのパジャマに染みていく
少しだけ…
不安が消えていた