素直にカエル3 ~先生と卒業式~



お母さんは黙ったまま私の話を聞いてくれていた


「…そう。陵也くんも懐かしいわね」


お母さんは窓の外を見上げた


少し欠けた月が私とお母さんを照らす



「先生のこと…信じたい…。でもね、本当のことを聞くのが怖いんだ…」


お母さんは私の頭をそっと撫でてくれる



優しい手が、少し先生を思い出させる



「先生と…話さなきゃよね。怖いのはわかるわ。お母さんも同じような体験あるもの」


「え?お母さんも?」



お母さんとお父さんって、ケンカしてるとこ見たことないくらいにラブラブだったのに…?



「そりゃあるわよ!あの頃は若かったもの…」




お母さんは少し照れながら、昔のことを話し出した



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