素直にカエル３ ～先生と卒業式～

『だから陵也は私をスキだって言ってヤキモチ妬かせたかったんじゃないかな。でも、美佳は素直な子だからそれを信じちゃって……』


「そこにオレが話しかけちゃったわけか…バカだなぁ…オレは」



やっと理解できた


佐藤が保健室で泣いていた時、オレが声をかけてしまったからだと


でも、あれは教師として優しくしたわけであって…


特別な感情があったわけじゃなかった



『先生が無駄に優しいからだよ』


「無駄にって…。お前以外に優しくしてたつもりなかったんだけどな…」



もちろん誰かだけに特別優しくとか、してるつもりはない


まあ、南は別だけど


『きっと美佳が気づけば大丈夫だよ。…後で少し話してみるね』



南…



無理してないか？


いくら昔とはいえ、自分の元カレだろ？


「無理すんなよ？」


『してないよ。ただ私と同じ道をたどって欲しくないから』