素直にカエル3 ~先生と卒業式~
真っ赤なスーツに、教師には不向きなバッチリメイク
まつげが束になりバッサバサに揺れる
「ちょっとあんた無視しないでよ!」
「お、おい!お前声でかい!」
いくらまだ体育館が騒がしいとは言え、さすがに目立つ
「…田崎先生、知り合いですか?」
キョトンとして尋ねる福井先生
確かに、こりゃビックリだわな
「知り合いと言うか…」
「んもう!ちゃんと紹介しなさいよ!初めまして、高田 京子と申します!」
…こいつ、語尾にハート飛んでやがる
昔はごっつい男くさいヤツだったのに…
「あ…僕は福井と言います。よろしくお願いしますね」
「はぁ~い♪」
…女ってこえぇー…
「ちょっと!まさかあんたアタシの正体ばらしてないでしょーね?」
ヒソヒソとつぶやく声が、昔の声と変わらないのは気のせいか?
「…話してねーよ」
つか、オレだってコイツが来るの今思い出したし
「お二人は仲がいいんですね~」
天然っぷり炸裂の福井先生
さっそく京子のツボにヒットしたらしい
本当コイツもわかんねーヤツだなぁ
「止めてくださいよぉ~!こんなヘタレ男なんか興味ないですぅ~!」
「お、お前!ヘタレって!!」
はぁ
これからこんな日々が続くのかと思うと、ため息が出る
天然な福井先生
わがままな京子
波乱な1年が幕を開けた