素直にカエル3 ~先生と卒業式~



おせっかいかと思ったけど、家で待つ先生の妹さんを思うと黙ってられなかった



「いや…でも」


「受け取ってください」



私の押しに観念したのか、福井先生は渋々袋を受け取った



「それじゃ、僕のカゴのモノと交換ってことで」


「…へ?…いや!それはダメです!!!」


私は福井先生のカゴを後ろに隠した



それじゃ私のとの金額の差がとんでもないことになっちゃう!!!


「べつに全部で1000円くらいですから。気にしないで下さい」


「いや。生徒に金の貸しはイケナイことだからね」



先生はパチンとウインクをすると、さっと諭吉さんを1枚レジのお姉さんに渡した



「すみません。彼女の代金はこれで」


「は、はい…」



私は慌てて遮ろうとしたが、お姉さんは先生を見つめ顔を赤くしていて何を言っても無駄な感じ



…や、やられた




「おつりは後で返してくれればいいよ。あ、なんなら返さなくても…」


「絶っっっ対に返却します」



私は楽しそう笑いながら去っていく福井先生の姿を見つめた



ほんとに…


本当に不思議な人











帰宅後、お母さんに『あんたこのハンバーグお店並に美味しいじゃない』と驚かれたのは言うまでもない



食材がいいんだから、美味いわけですよ…


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