素直にカエル3 ~先生と卒業式~
ぅおっ!?
「や、や、ヤバいですよ!!もしかして、モデルか何かやってらっしゃるんじゃ…」
「へ?と、とんでもないですよ!」
ただの高校教師です!
「だってこんなにそのデニムを履きこなす方なんて、中々いませんよ~?」
「はあ…そうっすか」
とりあえず、はやく帰りたくなってきた
「あ、じゃこれで…」
「ん?そういえば、この間来た方もモデル並にイケメンだったような…」
オレがせっかく逃げ出そうとお会計を頼んだのに、店員さんは「ふうむ」と何やら考えだした
…か、勘弁してくれ
「あ!思い出しました!深緑のメガネのお兄さんだ!」
…深緑のメガネ?
「その方もお客様と同い年くらいの方なんですけど、抜群にスタイルが良くて、何合わせても似合ってました!」
…それは、もしかして
「…その方って、髪型とか覚えてますか?」
「もっちろん!ちょっと緩いカールがかかった感じの髪型でしたよ!」
…もう福井先生に決定じゃねぇか
「…ふーん。そういうことね」
オレはニヤリと笑う
南がよく言う『変なことを考えついた時の笑顔』ってやつ
「お、お客様…?」
「いまコレ若いコに人気なんですよね?」
「ええ」
よっし、勝負してやろーじゃんか
ふんわり柔らかいイメージの福井先生と、どちらかと言えば逆なイメージのオレ
どっちが『若いコ(正しくは生徒)』に人気かを!!