素直にカエル3 ~先生と卒業式~
先生とは最近あんまり2人で会えてなかった
お互い定期テストだったり、仕事があったりと時間がなかなか合わなかったからだ
だから今日からの旅行は正直言うと、先生とも周りたいな…なんて思ったりもする
「は~い、皆さんおはようございます~」
ざわざわと生徒が集まる中、ほわ~とした声がかかる
「あ、福ちゃんだあ」
あゆみはぴょんぴょんと跳ねて、先生の元へと向かう
「あいつ…ほんと福井スキだよなぁ」
「彼氏が見たら泣いちゃうね」
私と理奈は若干呆れながらあゆみの後についていく
「あ、吉岡」
「へ?」
ふいに腕を掴まれ、驚いて振り向くとなんだか変な表情をした先生がいた
「な、なんですか?」
「あのさ…いや…その…だから…」
困ったような、照れたような、変てこな顔の先生
「あの…集合がかかってるんですけど…」
理奈は不思議そうに私と先生を見てるし、みんなも並び始めている
「先生…?」
「…悪い。またちゃんと話す」
先生は私の腕を離し、とんっと背中を押した