素直にカエル3 ~先生と卒業式~
鞄も財布も携帯も置いて走ってきた私は本物のバカだと思う
このまま歩いて帰るのは無理
でも…
またあそこに戻るのも無理
じゃあどうすりゃいいのよ
しゃがみ込んだ私の上に、影ができた
「はあ…やっと見つけた」
少し低い、温かい声
「…せんせ」
「ったく…南は速いなぁ」
私は先生の顔もろくに見ずに走り出した
こんな泣き顔見られたくない
ただのヤキモチ
でも、私にとったらただのじゃない
先生にとったら…
ただのなの??