素直にカエル3 ~先生と卒業式~



…つ、着いたぁ


見回りの先生がいたり、他の生徒がいたりと危険があったけど、なんとか隠れてここまできた



「…えっと、806…だよね?」



一度深呼吸して、ゆっくりドアノブを回した



…中は明かりがついていて、シンとしていた



「…せ、先生…?」


恐る恐る部屋に入ると、ソファーには上着が脱ぎ捨ててあった



…でも、肝心の先生がいない



「…ん?」



ソファーの奥にある白いベッド


そこにはふんわりと山ができていた



…ね、寝てるの?


「そ、そんなのあり…?」



わざわざ危険をおかしてまで来たのに、こんなのないよ…



「…はぁ、でも…疲れてるよね。仕方ないよなぁ」



一日中生徒を見守りながら、行動してるんだもんね



気疲れもあるよね



「仕方ないか…」



…でも、せっかく来たんだから、ちょっとくらい



…いいかな



私はゆっくりとベッドに近づいて、そっと近くの椅子に腰を降ろした




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