素直にカエル3 ~先生と卒業式~
突然、老人の方の声がして固くつぶっていた目を開いた
そこにはエレベーターを待っていたご婦人が笑みを浮かべて立っていた
あまりの緊張で1階に着いたのも気づかなかった
「…あ、すみません」
福井先生の声で我に帰った
と、とにかくここから逃げなきゃっ!
「お若いっていいわねぇ~」
「あ、あはは」
福井先生がご婦人に捕まってる間に私は走って逃げた
…ドックン…ドックン
心臓が尋常じゃない鳴り方をしていた
バレた…のかも
どうしよう
私は不安と緊張と戸惑いを抱えながらひたすら食堂を目指した