素直にカエル3 ~先生と卒業式~



聞かないほうがいいのかもしれない


でも、聞かなきゃいけないかもしれない


オレは生唾をゴクリと飲んだ


「ひっく…私…彼氏に振られたんです」


「ああ…。そ、それで?」


「彼氏…昔スキだった人が忘れられないって…」



ここが保健室でよかった


オレがこのまま倒れても大丈夫だから


頭が壊れそう


気がつくと体が奮えていた



「そう…か。彼氏って夏祭りの時に会ったヤツ?」


落ち着け

ここは冷静に話を聞くんだ



「うん…。あんなにスキって言ってくれたのに…。うう…。」



佐藤は話し終えると泣き崩れるように床にしゃがんだ


オレも少しでも触られたらそのまま倒れそうだった






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