素直にカエル3 ~先生と卒業式~
石原先生は佐藤を抱えるようにして、椅子に座らせた
「佐藤さん…。泣かないで?」
オレも泣きてぇよ
『ふざけんな』って叫びたいよ
「だって…。南はもうスキじゃないって言ってたから…。だから私頑張って陵也の彼女になれるようにって…。なのに…今さらひどいよ…」
さらに声を上げて泣く佐藤
「スキじゃないって…。誰が言ってた?」
「南…吉岡さんが、元カノなんです。それで、私聞いたんです。『私はもう未練なんかないから』って…。それに、私に頑張ってって言ってくれた…。」
南…
お前どんだけバカなんだよ
まじ最高
「陵也もそっけなかったし、私頑張ろうって…。なのに…。ひどいよ。」
赤くなった目を擦り、少し笑う佐藤
オレはそっと自分のハンカチを佐藤に渡した
「よく頑張ったな。思う存分泣け!」
オレのハンカチを受けとった佐藤は、また声をあげて泣きだした