素直にカエル3 ~先生と卒業式~
いつからこんな私になっちゃったんだろう
陵也といた頃は、毎日2人で笑ってて…
別れてからは笑い方すらわかんなくなった
でも、そんなひねくれた私を救ってくれたのは…
先生だった
「お待たせしました。吉岡さん」
福井先生はまるで執事かのように車のドアを開けてくれた
シルバーの4人乗りの車
シトラスの芳香剤が福井先生によく似合っていた
「大丈夫かな?もうすっきりした?」
福井先生は誰にでも優しくて、すごく純粋
天然なのがたまに傷なんだけどね
「はい。ほんとすいません…。先生も忙しいのに…」
頭を下げる私に先生は慌てて首を振る
「いやいや!困ってる生徒を助けるのが教師の仕事ですからね!それに、僕はそれほど忙しいわけではありませんよ」
福井先生はちらりと教室棟を横目で見た