素直にカエル3 ~先生と卒業式~



政経の時間

頭の中は先生のことでいっぱい


モンテスキューとか
ルソーとか
政経の先生が必死に書く字をただノートに写すだけ


夏休みの頃に戻りたい


先生の腕の中で笑いながら寝ていたあの時に…



先生…先生…



苦しいよ



寂しいよ




「…南?授業終わったよ?」


「へ?あ、ごめん」



気がつくと皆教科書を片付け、教室へと戻って行っていた



「保健室行きな!いつもの南じゃねぇもん!1時間寝てこい!」



理奈に教科書類を奪われ、あゆみに背中を押されて私は保健室へと連れられた


保健室かぁ


なんかあんまりいい思い出ないや


前田くんのこともあったし…



そんなに昔のことじゃないのに




懐かしいよ










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