花みずき
教室に入って私の席で桜ちゃんと話している時、

一人の女の子が桜ちゃんに駆け寄って来て声をかけた。

桜ちゃんは笑ってその子に挨拶する。

凄い・・・!!桜ちゃん。

昨日の今日でもう人と仲良くなっているなんて。

私には考えられないことだ。

「で、この子誰?」

女の子は私を見て言う。

私はいきなり話を振られて驚いた。

とりあえず名前を言った。

「た・・・立花みずきです。」

「あー!立花さんか!」

女の子は思い出したように言った。

「私、搭野あやめ。よろしくね!
 あやめでいいよ。私もみずきって呼ぶから。」

そう言って二ッと笑う。

あやめちゃんは可愛いというより美人って感じ。

桜ちゃんとは違うタイプだな。

「ふ・・・二人はどうやって知り合ったの?
 中学が同じとか?」

私は二人に聞いてみた。

「ううん。
 私とあやめちゃんは席が近くて、
 話をしているうちに仲良くなったの。」

桜ちゃんは言った。

そっか・・・。

私も席の近い人から話かけてみようかな。

私は心の中で納得する。

三人で話している時椿君が私の隣の席に座った。

椿君は私に「おはよう。」と笑って挨拶してくれた。

私も「おはよう。」と言う代わりに、小さくお辞儀した。

桜ちゃんとあやめちゃんは初対面とは思えないほど、

椿君に普通に話しかけていた。




< 8 / 10 >

この作品をシェア

pagetop