花みずき
私は二人をぽかんと見つめた。

そんな私にあやめちゃんは気付いたみたいだった。

「どうしたの?」と私に聞いた。

私はぼーっとしながら話す。

「しょ・・・初対面なのに普通に話せるって凄いな~って。
 感心っていうか、ビックリしちゃって・・・。」

私がそう言うと桜ちゃんとあやめちゃんは笑って言った。

「違うって!
 私とハルは中学が一緒なんだ。」

「私は昨日ぶつかった時に少し話したんだ。」

「へえ~。そうなんだ。」

そっか。

だから普通に話せたのか。

でも、私は普通に話せないみたい。

私だって昨日話をしたから、普通に話せるはずなのに。

なんだか変に緊張してしまう。

これは椿君じゃなくても緊張してしまうのかな。

だとしたらこれが私の普通なんだと思う。

「立花。」

椿君に名前を呼ばれてビックリする。

「な・・・何?」

私はゆっくりと聞いた。

「こいつ、ウメって言うの。」

そう言って私に男の子を紹介した。

「梅田良。よろしく。」

男の子は私に少し頭を下げて言った。

「立花みずきです。よろしくね。」

私も小さく頭を下げた。

ふと、私はあることに気が付いた。

椿君、桜ちゃん、あやめちゃん、梅田君・・・。

この四人って皆、花の名前だ!

私は四人に目を輝かせた。

「どうしたの・・・?」

椿君は不思議そうな顔をして私に聞いた。

私はその言葉で我に返った。



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