‡パルソナ‡ 隻眼の海賊



「行ったな」


「行きましたね」


ノエル達を見送った後、嵐のように騒がしかった部屋があっという間に静かな空間へと変わり、そんな静けさを紛らわそうと一言呟いてみるあたし


けど、レイはただあたしが言った言葉を復唱しただけで口を閉ざしてしまった。



あたしとレイの間に沈黙が流れる




騒がしかった後のこれってなんかいやだなぁ…



ちらっとレイの顔を伺ってみるとレイもこの状況をどうすればいいのかわからない様子で片手で髪の毛をかき回していた。






「今日は熱いですね。のど渇いたでしょう。お茶でもいかがですか?」


しばらく経ってから、レイは暑いのか顔が火照り、手をうちわ代わりにしてパタパタとあおぐと、笑顔でそう尋ねた。


「……あぁ」


ぶっちゃけそこまで暑く感じなかったし、のども渇いてなかった。


けど、せっかくレイがそう言って勧めてくれたからお茶をもらうことにした。



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