‡パルソナ‡ 隻眼の海賊



「ほんとだぁ…てことは、あっちには海があるってことだな…」


と当たり前のことを口に出した途端、あることを思いついた。



「そうか!!選ばれし者全員がこの国にいるわけじゃないんだ!!

だったら、この海を渡って、他の国に行ったらいいんじゃないか?」



そういうと、



「確かにそれもありですね。」


「俺はそれでえぇで」


「俺も、ご主人が行くって言うならどこへでもついて行くっす!!」



レイはいつもの優しい微笑みを浮かべ、ライオスは腕を頭の後ろで組んで子供のようにニカッと笑い、ファイは握り拳を作って意気込みを見せてくれた。


「ノエルは?」


あたしは首を傾げながら何も言わないノエルを見上げた。



無愛想なノエルの横顔があたしの双眸に映る。



この様子じゃ何か反対されそ…



「…別に。いいんじゃねぇの?」



えっ?



あたしは耳を疑った。


だって、まぁだいぶ素っ気ないけど、賛成してくれたから。



そのことになんか奇妙なものを感じるあたし。



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