‡パルソナ‡ 隻眼の海賊



すげぇあたたかい…




「いや、何でもねぇ…」


「ん、そうか?あ、フィリアお嬢様もちゃんと見とかんと損しますで。」


あたしの頭から温もりが消えたかと思うと、今度はフィリアの頭をなでるライオス。


あたしはそんなライオスの姿が…








あたしの兄、蓮兄と重なって仕方がなかった。







「それにしても、どうするんすか?船はたくさんあるっすけど、俺達を乗せてくれるかどうか…」



しばらく港を歩いていると、ファイが唐突に疑問を述べた。



確かにファイの言うとおり、船員達が簡単に見ず知らずの旅人を乗せてくれるかわからない。




「ていうかさ、ノエルもレイもこの国の王子なんだからさ、乗せてくれって頼んだら乗せてくれんじゃねぇの?」



「それは出来ません。」


「なんで?」



「僕達が王子だということはパーティーに招かれた貴族の人しか知らないんです。だから一般市民の人に僕達が王子だと言っても信じてくれるわけないんです」



「…そうか……」



それなら仕方ない。
だけど、それならどうしよう…



あたしは腕組みをして、うーんと唸りながら考え込む。







「何かお困りですか?」


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