‡パルソナ‡ 隻眼の海賊



後ろを振り返ると、無表情のフィリアの首に鋭いナイフをあてがうヤックの姿がそこにあった。



その顔にはもうさっきの笑顔は無く、あたし達を思いっきり睨みつけていた。



「このガキを殺されたくなかったら俺達の言うことを聞くんだな。」


それにあたしは







「イヤだ。」



あたしの緊張感のない声にヤックは目を見開き、気が緩んだのがわかった。


それに素早く反応したライオスが目にも留まらぬ速さでナイフを落とし、フィリアを救出する。



ヤックは痛めた手を押さえ、苦痛の表情を浮かべた。




「やっぱりアンタら、なんか企んでたんだな?」


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