‡パルソナ‡ 隻眼の海賊



「言い忘れそうになったが、ジンにはあんまり口答えしない方が身のためだぜ」


「ジンって?」


「船長だよ、さっきの」


あぁ、あの眼帯船長


「それだけだ。じゃあな」


サスティンはそう言って、あたしの返事も聞かずに扉を閉めた。



「茜菜」


フィリアに呼ばれ、振りかえるあたし。


「これはなに?」


「ん?」


あたしはフィリアが見つめている先を辿ってみると、あのハンモックがあった。


「ハンモックのことか?」


「ハンモック…」


そう呟いたままずっとハンモックを見つめるフィリア。


「何に使うの?」


「えーと、ベッドみたいなもんかな?」


「これが…」



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