咲と亮
そして何だかんだで、教室に担任の先生、のちに
「ういーっす。吉田 賢太郎(ヨシダ ケンタロウ)、28歳、担当教科は物理。みんな賢ちゃんと呼んでくれていいぜ~よろしく」
という自己紹介した賢ちゃんが入ってきて、各々、自分の席に着席。
「は、お前、席そこかよ!」
「うわあ!すごい運命的だね亮クン!」
「黙れキモイ!」
出席番号で並んだ私の席の配置は、一番前の列で教卓の真ん前で、
「なんでこのクラス、な行より前の女子少ねえんだ!」
亮クンの心からの叫びに、周りの今日からクラスメイト達が笑う。
亮クンの隣は“浅香 今日子”さん、私の隣は、“神崎 のび太”くん。
私と亮クンは、
「ビックリだね!」
「あーもー」
通路はさんで隣同士。ひゃほう。
入学式からこんなこと大声で喋っているせいで、
「お君たち、いいねえ。学級委員に興味ない?」
だなんて賢ちゃんにニヤニヤ言われて、2人で学級委員を押し付けられてしまうまであと2時間。