咲と亮
「ちょっと!咲っ」
「はいはいはい」
「なにその返事!」
「いやあははは」
怒った顔した小3からの親友、林 琉羽(ハヤシ ルウ)が私を呼んでいる。
あは~、と笑ってちょっと前に行った琉羽に追い付くと、
「どうして咲はこんな子に育ったのかしら」
「残念な子を見るような目は、やめて欲しいな」
ただ走っていってまで見たいわけじゃないだけじゃないか。
「だってアンタ気になるでしょ!合格発表よ、ご・う・か・く!」
「うんそうだね」
3月後半のある日。
今日は、私たちの高校受験結果が発表される日だ。
合格者番号が並んだ紙が張り出された場所は、走ったって歩いたってすぐそこ。