咲と亮
「わ!ノブすごいね!」
「ノブの作る料理はプロ級だからなあ」
俺の作った弁当を見て流川は感嘆の声をあげて、亮は何故か自慢気だった。
俺は家が結構いい料亭で、そのおかげか小さい頃から板前さんたちに囲まれ遊ばれ、特技・趣味は料理である、
ということで今日は、俺が1人で4人分の弁当を作ってくることになったのだ。
「おいしいよノブ」
と、俺が作ったエビフライをほおばりながら流川が本当に幸せそうな笑顔で言ってくれた。
「ホントホント。おいしかったわ」
「男にしとくにはもったいねえよ」
「ノブは俺の嫁に決定!」
「咲なに言ってんの?」
みんなが口々に言ってくれる。
こういうのは、作った側からすれば本当に嬉しいものだ。
顔が赤くなってるのは自覚しながら、
「…ありが、とう」
と言うと、みんなは優しく笑った。
この人たちは、とても優しい。
俺は幸せである。