咲と亮
「くやしいわね!ノブ、私たちも頑張りましょ!」
「は?!えっ、え?」
急な林の言葉にビックリしていると、
「冗談よ。ノブかわいいわー本当に」
と言って俺の肩をバシバシ叩きながら、林はカラカラと笑い始めた。
ああもう。
なんとも言い難い感情が込み上げる。
俺は林が好きである。合格発表の日から自他共に認めることだそれは。
最近は、もうクラスのみんなが応援してくれている。
俺のことを彼女は、かわいい萌えキャラだと考えているようで、だから時々、今のようにからかわれるのだが、
俺としては、うまく余裕持って返したいのに、今のところ全然ダメで悔しい。
得意でない会話が、さらに不自然になるだけだ。
全ての大元は彼女を好きすぎるから。