咲と亮
「俺。林がスキだから」
「はいはい告白20回目ね」
いつも告白してもこうやって流されるし、かわされる。
俺は毎回本気なのだが。
いやまあもう20回目となると、それが普通になってきていて本気の返事が返ってきてもビックリするし、返ってくる予想もできないけれど。
「………林は。俺の、こと、好き、じゃ、な、い?」
だって、しばしば告げて宣言してないと誰かに横からサラッと彼女を盗られてしまいそうで。
彼女の返事はいらないけれど、彼女が誰かのものになるのは嫌だという、俺のおかしな独占欲。
「佐々木 信朝クン」
少しセンチな気分になって、思わず口に出た言葉に林は突然、胸を張る姿勢になって答えた。