咲と亮
「ホホホ。そりゃあ、こんな美貌だしスタイルだし、世の男共は黙っちゃいないけど?」
「………………。」
まあおっしゃる通りなんだけど…なんだかなあ。
「何くじけてんのか知らないけど私はノブのこと嫌いじゃないのよ。…今のとこ林 琉羽争奪戦でトップ走ってるのは間違いなくノブだからね~ん」
と、おどけながら早口で言い切ってしまうと林は、
「ほらほらラブラブお2人さーん!出発よ!」
と何でもなかったかのように、亮と咲の所に行ってしまった。
「俺、がんば、る、から」
うん。がんばろうと思う。
人との会話は苦手で、自分の気持ちを伝えるのは特に苦手だけれども。
最近は、「スキ」と伝えた時に返事は流されるけれど、
「はいはいどーも」
と言いながら頬を染めてくれるようになった彼女に
気持ちがちゃんと伝わりますように。