咲と亮
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「…ったく何やってんのよアンタの親友は」
隣で忌々しげにそう呟いたのは、俺たちの視線の先にいる流川 咲の親友、
「…は、林?」
「なによ」
「なん、か、恐い」
「黙りなさい」
林琉羽である。
「だってノブが連絡しても、連絡つかないんでしょ」
「だから、…イライラ?」
「うん。イライラ」
「………」
俺の親友、亮は何をやっているのだろう?アイツは普段、遅刻とか絶対しない奴なのに。
「はいはいはい。沈黙して考えこまなーい。つまんないでしょ、私が」
「ご、めん」
「でもここ、様子が見にくいわね~移動する?」
「…と、いうか、建物の影、に隠れて亮、と、流川をストーカー、はいい、の?」
「2人に悪いからやめようよ、とか遠まわしに言うんじゃないわよ。
…やめないわよ、
こんな面白いこと。」
うわあ。鬼畜だ。
林はここ最近で一番の満面の笑みを浮かべていた。