咲と亮
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けんじがうるさくて周りの目が痛くなってきたため、私たちは急遽近くのファストフード店へ。
「じゃあ、自己紹介しよか!保田 謙二 ヤスダ ケンジ、高1で亮とは中学の同級生です!」
と、まるでアナタに会えてすっごく嬉しいとでも言いたいように満面の笑みで言われ、
「こんな笑顔見せられたら女子は勘違いして、頬を染めるんだろうね」
何度も言うが、どんなに見た目が派手でも要するにカッコイイのだ。謙二は。これ大事。
「…おい自称 女子。客観的だぞ、その意見」
「いやね~だってね亮クンよ…イケメンとか美人に囲まれてワタシ、抗体ついたみたいで」
忘れそうになるが今、目の前にいる、コイツ何言ってんの宇宙人?みたいなことを顔に出す失礼な亮だって、史上最高レベルに口下手なノブだって、親友の
「ありがとー!さ・き・ちゃん。親友の林 琉羽が美少女だなんて誉めてくれて」
「ううん だって真実だもん…ってえ?!」