咲と亮
「むーん」
「…どうすんの咲?」
そう言いながら頭を撫でてくれる琉羽の手は優しい。
はあ。どうしよう。
てっとり早く、亮とガラシャがくっつけば良いなあ。
美男美女カップルとか…
「あらやだ萌えちゃうね!」
「え?!なによ急に!」
***
本日の文化祭準備活動が始まって、
俺は分担された小道具大道具を作っていた。
ノブは、先週のように蒸し暑い廊下で看板制作係。
「なあ、安達」
「んー?」
同じ係のクラスメイトに声をかけられて、顔を上げれば、
「な。みんなこっち見て…なんだよ」
「お前…、五十嵐さんと付き合ってるって本当かっ?」
…やはり噂になってたか。