意地悪なキミと恋の勉強


「……ねぇ、朱里っ…


あたし、まだ諦めてないから…!!」




瑞希の言葉なんか


李呼より全然軽い。




そんな言葉じゃ


俺を呼び止めることは不可能だ。




今、俺の中は


めちゃめちゃ可愛いヤツに
侵されてる状態なんだから。




下駄箱に着くと


そこには誰もいなかった。



……帰ったのか…?




まず、会ったその日に
誘ったのがいけなかったか?


下心、見え見えだった…?




「……はぁ」



アイツの出席番号は35。


その靴箱には
上履きしかなかった。



……帰った

確実に帰ったな。



アイツ、可愛いから
狙われてるかも……

ふと、そんなことが
頭に浮かんだ。



……李呼が危ない…





俺は、学習室でもかけた人に

電話をかけた。





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