意地悪なキミと恋の勉強


『もしもし?』


「わり、何度も……
李呼、どこに行ったかしらね?」



かけた相手

それは、アイツの“親友”


田口 舞結。



学習室で、たった一瞬で

俺がアイツを好き……って
わかってしまったらしい。


そこで、アドと携帯番号を交換してもらった。



アイツと親しいし、なんかあったらアドバイスをもらえる。


今日1日で、二回もかけてる。





『…李呼?知らないわよ。
朱里と一緒だったんでしょ?』


「……それがいないんだよ。
俺の元カノが、李呼になんか吹き込んだみたい」



はぁ……


せっかく、会えると思ったのに…



次々と出てくるため息は

この際、無視しよう。



悲しいキモチと


焦るキモチが入り交じった



妙な感覚だ。




さっきおでこにキスしたときも


李呼が泣いちゃって

コイツに電話をかけた。




……その時に



“そんなに俺が嫌いかよ”


って、思った。



おでこくらい、キスしたって


泣くことないだろ……




そんな風に考えていたんだ。


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