意地悪なキミと恋の勉強


『アンタ、李呼になんかした?
李呼が約束すっぽかして帰るなんて、よっぽどだよ』



「…“よっぽど”俺が嫌いなんじゃねぇの?」




投げやりに言った。


田口は、呆れたように
ため息をついた。




『……李呼の番号

教えてあげる』



「…えっ!!?」



柄にもなく、大きな声を出してしまった。




『あれ、そんな慌てて…

いらないってこと?』



「ぃ、いや、違くて…

…あの……」



『…なに、いるの?

いらないの!!?』




やけに“いらない”を
強調する田口……


コイツには、適わない…





「……いります…」



『はいはい、メモる準備は?』



「大丈夫だ。
番号くらい覚えられるから」




すると、田口は



「ったく、どいつもコイツも。

あんたらは、恋の勉強を
しなさいよっ!!!」




……はい、スミマセン。


俺は、ため息をつく田口から
李呼の番号を教えてもらった。



よし、覚えた。



「ありがとう、田口」



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