意地悪なキミと恋の勉強


『……ふふ。

ねぇ、いいコト教えてあげる』



田口は、ふふ と笑いながら
俺に言った。





『実は、さっきも番号を聞いてきた人がいるの』




誰だと思う?


そう聞かれたが

正直、わからない。




すると田口は



思ってもいない人の
名前を口にした。




それをきいた瞬間


走り出してたんだ。




身体が勝手に


その名前に反応するように……





ねぇ


俺の話



聞いてくれる…?



まだ、好き なんて


言えないけど




告白じゃないけど



聞いてほしい。




「……っは…」



傷つくのが怖いのに

誰にも触れさせたくないんだ。



……矛盾してる


そう笑われてもいい。




「……はぁ、はぁ…」



ずっと走ってたから

かなり息が苦しい。


……ちくしょ、サッカーやってんのにな。




「……李呼…」



李呼


李呼……



今、どこにいる?



.
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