意地悪なキミと恋の勉強


今朝も、授業中も


一切 顔を見なかったから。





「……朱里…」


「…はぁ……ごめん。
邪魔して…」



「…ち、違うよ……
あれは…弟だから…」




あたしが言った瞬間


朱里がバッと顔を上げた。



……そ、そんな驚く…?




「…マジ……?」


「うん。裕貴っていうの。
中学2年生」




すると



朱里は力なくしゃがみこんだ。





「…マジかよ……

焦って損した…」



「…え?なんで焦ってたの?」




朱里はいつも


よくわかんないことばっかり言うんだもん。



あたしにもわかるように

言ってほしい!!!




「…さっきの弟が
彼氏かと思って…

李呼を盗られると思ってさ…」




えっ……?




「………あたしは…


朱里の彼女じゃないもんっ…



…朱里のそばに……い、れない…もんっ…」




ジワリ と


浮かんでくる涙。



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