意地悪なキミと恋の勉強


「……ぇ、李呼っ…?」



慌ててる朱里を余所に


あたしの涙は止まらない。




「…昨日…電話、したのに…

彼女でもない女に
色々されても…迷惑だよねっ…」




グスグスと涙を拭きながら

言うけど


途切れ途切れで

自分でも意味わかんない。




朱里は、困ったように


あたしの頭を撫でる。





「……っ…触らないでっ…

あたしは、彼女じゃ
ないからっ……
そんなこと、しちゃ…ダメ…


…っ……!!!!」





ダメ って言ってるのに



朱里はあたしを

正面から抱きしめた。




「じゃ、彼女になる?」


「……え…?」


「俺が、彼氏になってあげようか…?」




それは……



「どういうこと…?」




やっぱり、よくわかんない。



すると、朱里は


下を向いてしまった。




「……なんでもない!!!

ほら、帰るよ…」



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