意地悪なキミと恋の勉強


裕貴は


真剣な顔をして言った。




「“恥ずかしい”って思うのは、姉ちゃんが意識しちゃってる証拠じゃん?」



「……ぃ、意識…?」




あたしが聞き返すと


裕貴はニコッと笑った。




「姉ちゃんさ

朱里さんのこと嫌い?」




嫌い……?


その答えはすぐに出た。




「……嫌いじゃない…」


「じゃ、その気持ちは何?」




えっ…?



そうだ。


あたしはまだ

この気持ちの名前を


知らないんだ……




「…わかんない……」



あたしはアイスの
スプーンをくわえて


俯いた。




「……李呼は…

恋の勉強しなきゃね」


「うん……」



「朱里さんにも言ってみな?
『恋の勉強しましょ〜』って」




だから………



恥ずかしいってば!!!!////





「多分、近いうちに気付くから。

焦らなくても大丈夫だよ」



裕貴は


そう言って笑った。



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