泣き虫なキミ
「え…、でも授業が…」
「ちょっとだけ、…ね?」
私の声を遮って言う爽に
私は頷くしかできなかった。
ヒュー ヒュー と少し風が吹く。
秋の屋上はちょっぴり肌寒い。
「…茜ちゃん、どうかした?」
え?と、私が聞くと
「さっき、ちょっと顔が怖かったからさ」
爽はそう言って優しく微笑んだ。
ドキンッ、胸がまた高鳴る。
…気付いててくれたんだ。
あの時みたいに、
何処か爽がかっこよくみえる。
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