ACcess -焔-

ﾀｳﾝまで帰ってきたｵﾚらは、寄り道もせずﾎｰﾑに帰宅した。
「どっこらせぇーっ。」
勢いよくｿﾌｧに飛び込む。
ﾘｱﾙでもよくこれをする。
そうそう…ﾍﾞｯﾄにも。

後から部屋に入ってきたﾄﾞﾝｸﾚは、ﾆｺﾆｺしながら真正面にある同じようなｿﾌｧに静かに腰を下ろした。

ｵﾚはそんな彼を見ながら、飛び込んだままの状態でｱｲﾃﾑﾎﾞｯｸｽを開いた。
「ほら見て！ｱｲﾃﾑが限界だ！
　給料日前のｻｲﾌみたいじゃないか？」
そう言って、彼に見せた。

面白い例えだ、といつもの変わらないﾆｺﾆｺとした顔で、ｵﾚのｱｲﾃﾑﾎﾞｯｸｽを覗く。
「なんかあげようか？
　ねぇ、何がいい？何でも言って。」
「別にいいよー。
　ｵﾚも何でもあるし！だって一緒じゃん？」

彼はﾆｺﾘと笑う。
「一緒…ね。」
「なんｽかー？」
「いいや。何でも。」
ｵﾚは首を傾げた。
よく分からないけど、きっと何でもないなら何でもないんだな。

ｿﾌｧから降りて、倉庫からﾎﾟｲﾎﾟｨと必要なｱｲﾃﾑをﾎﾞｯｸｽに移す。
「ねぇ、これからどうする？」
ﾄﾞﾝｸﾚはその作業を見ながら言った。

ｵﾚは少し考えた。
だって、何も考えてなかったから。それに、ﾄﾞﾝｸﾚは今日用事で無理って言ったじゃないか。
だから何かするなんて考えて無かった。