ACcess -焔-
走ってバザー広場に着いた。

えぇっと、ドンクレどこだろ?

「…忍、後ろ。」

後ろの人込みの中から、音もなく現れた。
「ドンクレぇー。待った?」
「いいや。全然。」
「良かった!」
そう言うと、少しだけ口元を上に上げてドンクレは答えた。

先に行っていた彼にオレはまた聞いた。
「面白そうなの見つけた?」
「…まったく。」
「そっかぁー。今日は何もないなー。
 なんかあると思ったんだけどさぁ。」
「…笑ってやろうか?」
「えぇっ!?いいよ!」

さっきのを覚えてたみたいで、なんかオレは照れてしまった。

別に照れる必要無かった、かな?


ただフラフラと、広場を歩いた。

いくつも魅力的な商品はあるけど、それを購入しよう!という決心まで至らなかった。

だって、アイテムなんて簡単に手に入るからいらない…。
そういう思いもあったから。

キョロキョロと他のPC達を見渡す。
「なんかイイモノ見つけたぁー?」
そんなオレの問いも軽く無視して、ドンクレは静かにしていた。
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